
秋田県横手市「皆喜多亭」
肉玉カレー焼きそば700円

その二 ~カレーと焼きそばの間で揺れる男心~
2009年の「B級グルメ」と言えば秋田県横手市であろう。
なぜなら今年は、あのB-1グランプリの横手開催が決定しているのだ。もともと横手やきそばで街おこしをしてきた土地であるから、今まで開催されていなかったのが不思議なくらいだ。地元ではさぞや盛り上がっていることだろう。ささやかな自慢を許していただけるならば、私は横手市内の知られたやきそば店は、ほぼ食べ尽くした男である。無関係だが「横手かまくら」だって毎冬のように行っている。そんな私が、ちょっと驚いたというかひさびさに胸躍るような経験をしたのが「皆喜多亭」の肉玉カレー焼きそばだ。
鉄板の上でジュージューと大きな音を立てながら運ばれてきたのは、真ん中に目玉焼き、左にカレー焼きそば、右に普通の焼きそばというように鉄板の上で華麗に分けられた一品。「せっかく横手に来たんだからノーマルな横手やきそばも食べたいし、皆喜多亭のカレー焼きそばも食べたい……」と悩める観光客たちが、両方のおいしさを一皿で味わえるよう親切設計されているのだ。
食べる手順としては、通常の焼きそば→目玉焼きを割った焼きそば→そして最後にカレーを混ぜた焼きそば、というように食べるのが王道と思われる。焼きそばはコクのあるソースが効いた、オーソドックスな横手の味。カレーも日本人好みのポークカレー。しかし、この焼きそばとカレーが一緒になると驚くべき化学反応を引き起こし、旨さが増すのである。全体の味をまろやかにする目玉焼きの健闘は言うまでもない。やや甘めながらアツアツの鉄板で香ばしくなったソースが染みた焼きそばに、絶妙に絡むカレーのドテっとした感じが、実にB級グルメ的なすばらしい食感なのである。すでに焼きそばという主食があるにも関わらず、白いご飯も食べたくなってしまうのは私だけであろうか。いや、さすがに注文はしなかったが……。
昭和58年に開業した皆喜多亭は、もともとカレーが人気の店であったという。メニューにはさりげなく焼きそばもあり、お客さんの要望から裏メニュー的につくったのがカレー焼きそば。それが好評だったこともあり、いつしか店のグランドメニューへと昇格していく。ちなみに通常の焼きそばは600円、肉玉カレー焼きそばが700円。コストパフォーマンスも肉玉カレー焼きそばの方がかなり得である。
……今宵もすばらしきB級グルメに乾杯!
※2009年6月時点の情報です














