
宮城県仙台市「牛タン焼専門店 司」
牛タン定食 2000円

その四 ~極厚プリプリ牛たんの夜明けである~
仙台のグルメ界において不動の人気を誇る牛たん。実は牛たんそのものの品不足などもあって卸値が高く、価格的にはB級グルメと呼ぶには難しい部分もある。
だが、戦後すぐ、太助の初代親方・佐野啓四郎氏によって誰もが気軽に食べられる肉料理を、と生み出された歴史を持つ牛たんは、仙台が誇るB級グルメの雄と言ってもあながち的外れではない……はずである。
さて、牛たんは有名店が多い上に、新店の出店も少なくない。そんな目まぐるしい仙台牛たん界において、ここ最近「どこで牛たん食べようかな」と思った時に、まず頭に思い浮かぶのが『司』だ。にこやかな親方・荒さんが調理場を仕切る小さな店は、オープンしてまだ2年半ほど。しかし、すでにして常連客が多く、予約を入れるのが必須と言っていい人気店になりつつある。
使用する牛たんはオーストラリア産。いろいろな肉を試した結果、放し飼いで飼育された特定ブランドの、牛の個体識別番号のしっかりとしたものに落ち着いた。その上質な牛たんに塩を振り、熟成させること2,3日。肉の旨みののった牛たんを、強い火力を生む岩手県産ナラ炭で手早く焼いていく。肉の焼けた匂いは、なんであんなに食欲をそそるのか……この待ち時間も肉好きには至福のひと時であったりする。そうした恍惚状態のまま待っていると、ほどなく牛たんが目の前にやってくる。
まずは、牛たんをひと切れパクリと。可能であれば切らずに豪快にいきたいところだ。最初のひと口目、その極厚プリプリ度に衝撃を覚えるのは私だけではなかろう。さらにもうひと口噛んではジューシー、ふた口噛んではジューシーと、あふれる肉汁に牛たんのおいしさを改めて思い知るのである。すごいポテンシャルだ。また、定食で出される宮城県登米産「ひとめぼれ」と「こがし麦めし」をブレンドした麦めしがうまい! ほどよい芳ばしさと軽い食感、しかし噛むとじんわり旨みがあふれるいい塩梅なのだ。5時間煮たというすっきり味のテールスープも、濃厚な味わいの牛たんと相性がいい。牛たん、麦めし、さらにはテールスープ……3品がこれほど高いレベルで融合された定食は、牛たん発祥の仙台でも、そう多くはない。恐るべし『司』の牛タン定食
……今宵もすばらしきB級グルメに乾杯!
※2009年9月時点の情報です














