
宮城県仙台市「龍 これはうまい」
たこ焼き(醤油)450円

その八 ~小さな粉もんの名店で不惑男が迷うのであった~
大阪発祥である、たこ焼きは。
かの地で食べたたこ焼きは、外カリカリ、中とろとろで焼きたてだと中身のとろとろ部分がすこぶる熱かったものである。定番のたこ焼きは、この「外カリカリ、中とろとろ」であることが多いのだが、仙台にて私が時折向かう「龍 これはうまい」のたこ焼きの場合、定番とは微妙に一線を画している気がする。その食感は「外ふわカリ、中ふわトロ」といった案配であろうか。外の生地がしっかりとしつつ、口中での感触はやさしいのだ。
「おかえり~」
龍の主人は必ずこの挨拶で出迎えてくれる。思わず「ただいま~」と言ってしまった後に、「さて、今日はどのたこ焼きを食べるかな」となる。龍はたこ焼きの種類が多いのだ。ソース、醤油という定番のほかに、塩こしょう、からしソース、カレー、キムチなどなどその数は20種近い。男子たるもの店先で悩むなどもってのほかであるが、たこ焼きで20種ともなると、どうしても悩む。悩んだ挙げ句に、ソース味と醤油味の2種類のたこ焼きを注文したのが、私と龍の出会いであった。そんなことを繰り返しつつ「とりあえずビール」的にたどりついたのが醤油味のたこ焼きであった。
大玉、といっていいサイズのたこ焼きには醤油だれ、それに一味唐辛子とマヨネーズがかけてある。青のりも鰹節もなし。構成としてはシンプルと言えなくもないが、醤油・マヨネーズ・一味唐辛子という3つの組み合わせ自体が、当世風に言うならば「かなりヤバイ」のである。この組み合わせは、どんな食べ物に対しても……茹でたブロッコリーであろうと炙ったイカであろうと焼きそばであろうと……とにかくあらゆる食べ物に合ってしまう魔法の味付けなのだ。四十男とて、その魔法の前ではなんら抵抗などできぬのである。かくして、医師からコレステロール値を気にするよう注意されているにもかかわらず、ついつい、6個のたこ焼きを完食してしまうのであった。
ちなみに龍のたこ焼きは、焼きたての熱々でおいしいのはもちろんだが、冷めてもなかなかいける。いや、「なかなか」なんてものではない。個人的には少し冷め加減のほうが、醤油と生地の旨みがたっぷりと味わえ、好もしく思えるほどだ。
……今宵もすばらしきB級グルメに乾杯!




















