
宮城県仙台市「タピオラ」
カレースパ 650円

その九 ~仙台のカレー界に君臨する「カレースパ」~
仙台駅東口……駅前といえば駅前であるが、ややひっそりとした感のある小さなビルの2階に、その店はある。カフェ、というこじゃれたジャンルではなく、昔の喫茶店といった風情。そして壁の本棚にはたくさんの漫画。漫画、漫画……。創業からかれこれ28年というから、現代の漫画喫茶が登場する前より、すでに漫画天国の店だったのである。
さて、そんなタピオラに、私が仙台に居住して以来の大好物がある。
「カレースパ」だ。
以前、カレー&焼きそばをこのコーナーで紹介したことがあるが、今回はカレー&スパゲティ。
カレーというのは、どんな食材をも自分色に染めあげてしまう、恐るべき料理である。 その力はこの店のカレースパにおいてもいかんなく発揮されている。大きなニンジン、ジ ャガイモ、そして豚バラ肉がゴロゴロっと入ったカレーに寄り添うたっぷりのスパゲティ。 素朴なカレーの味を想像しながら、スパゲティに絡め口に運ぶと、自分の認識の甘さを思 い知らされる。タピオラのカレーは、タピオラでしか味わえないインパクトあるカレーな のだ。
「いや、まあ、そんな特別なにかしてるってわけじゃ……カレーを全て手作りしている ところくらいかなあ(笑)」とはマスターの弁。スパゲティがカレールゥで炒められている からだろうか、全体にとても香ばしく食欲が刺激される。肉や野菜の旨味が加わってまろ やかだが、あと味はけっこう辛いのである。スパイスだけでなくダイナミックに唐辛子が 入ってはいるのであろう。さらにはスパゲティのカレーの染み加減が絶妙で、このあたり もB級グルメ心をくすぐるポイントである。
こってりし過ぎるとスパゲティとの絡みが悪いし、かといってカレールゥがあっさりだ と物足りない。過不足なく仕上げているのが、タピオラのカレースパなのである。
私も何度かタピオラのカレースパを再現すべく、自宅でチャレンジしているのだが、未 だその味は出せていない。650円と大変お手頃価格な上にたっぷりのボリュームがあるのだ。 やはり店で食べるのがいちばんおいしく賢明な選択であろう。
……今宵もすばらしきB級グルメに乾杯!




















