

『日々の100』
松浦 弥太郎 著
/ 青山出版社
物語るものモノ
創刊60年を迎えた生活総合雑誌の先駆け 『暮らしの手帖』の編集長として活躍している松浦弥太郎氏は、ほかに文筆家、書店店主という3つの肩書を持っています。そんな筆者の、日常的に愛用している品々100点が、エッセイとともに写真入りで紹介された一冊です。
「アーミッシュの洗濯ばさみ」「ヒノキの漆椀と匙」「南部鉄器のやかん」「ローズカフェのグラノーラ」・・・などなど、名前を聞いただけでわくわくするような愛用品の数々は、松浦氏の撮影した写真のなかでどれも居心地よさそうにくつろいでいます。どのページを開いても、飽きることなく眺めていられそうな、あたたかな雰囲気が漂っています。
「その人を知りたければ、その人のつきあっている親しい友人が誰なのかを知れば、ひとつやふたつは、その人の本性を垣間見られるだろう。少なくとも人としての種類はわかる」。
冒頭で筆者が引用しているアンドレ・ブルトンの言葉です。友人を見ることで、その人を知ることができる。人とモノとでは大きな違いがありますが、友人を見るようにその人の愛用品を見ることでも、その人について、多少なりとも知ることができそうです。
美しい品々と、それらにまつわる松浦氏の記憶。おだやかに語られるエピソードは、どれもみずみずしく、目の前に鮮明な画像が立ち現われるのです。この本を読むとなぜか、たくさんの短編映画を見たような気分になります。

















