名取 |「3.11」からもうすぐ1年

    閖上中学校の1階の教室。今も震災時のままだった(2012.3.3)

    東日本大震災からもうすぐ1年が経つ。この1年を「あっという間だった」という被災地の人の声を最近よく耳にする。確かに震災以後、やるべきことが多いからか時間が過ぎるのは早く、気がつくと1年である。各地区、各家庭によって状況は違うだろうが、遅々として進まない復旧・復興への落胆の声も聞こえてくる。
    もうすぐ1年が経とうする沿岸部の町々は今どのような状況なのだろうか、仙台東部道路・三陸自動車道を宮城県名取市から南三陸町まで、訪ねてみた。

    震災の前の姿を取り戻した仙台空港

    2011年3月11日、海から1km離れている仙台空港は、滑走路も含めほとんど全てが冠水し孤立してしまった。当時、空港には1300人ほどの人がおり、寒空のなか屋上に避難した。

    現在、仙台東部道路の仙台空港ICから空港へと向かう道は、震災直後の頃とは比べるべくもない。瓦礫も減った、幹線道の泥もない、沿道のコンビニも再開している。そしてなにより空港が震災前の姿を取り戻している。ターミナルビルは全館復旧し、3月25日には仙台―上海/北京便も再開される予定だ。こと空港に関しての復旧は順調と言えるだろう。

    ゆりあげ港朝市が復活!

    しかし空港を離れ、近くの川を渡れば、震災の被害はいまだ現実のものとして残っている。瓦礫こそ撤去されたが、さら地にされた光景が広がる宅地に、復興の兆しを見るのは難しい。沿岸にあった美しい松林も、多くがなぎ倒されてしまった。

    仙台空港から川沿いに北へ行くと、閖上漁港がある。かつて朝市などで賑わっていた漁港は、津波で壊滅的な被害を受けた。朝市に出店していたほとんどの店舗が流され、跡形もなくなった。それでも震災後、たった2週間で「ゆりあげ港朝市」は、場所をイオンモール名取に移し復活する。現在も毎週日曜日に朝6時から開催している。その健在ぶりをアピールするイベントが、2012年3月11日(日)に開かれる。1日限定で、朝市のあった閖上5丁目で市場を開催しようというのだ。このイベントが市場のみなさんに、さらに復興への弾みをつけてくれることだろう。

    2012年3月時点での情報です。

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