

『石巻赤十字病院の100日間』
全国書店で発売!
著者:石巻赤十字病院+由井りょう子
編集協力:シュープレス
出版:小学館
価格:1575円(税込)
ISBNコード:978-4-09-388207-1
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写真提供:石巻赤十字病院>
東日本大震災をうけ、災害時医療の最前線となった石巻赤十字病院。かつてない規模で行われたトリアージ、搬送患者のほとんどが低体温症患者、避難者・帰宅困難者でパンク寸前の院内……。
数々の想定外を乗り越え、石巻圏22万人の「命のとりで」となり続けました。家族の安否もわからない状況で、不眠不休の医療を提供し続けた病院スタッフと、そこで生まれたさまざまな人間ドラマを追う、100日間のドキュメントです。

Q:石巻赤十字病院を取材しての感想・印象〜
A:取材に応じてくださったみなさんの「誠実さ」、その一言に尽きます。被災者でもない赤の他人に話すことに、まだ心の整理がつかなかった方もいらしたでしょう。にもかかわらず、誠実に取材に応じてくださって、ただ感謝するのみです。
Q:取材中のエピソード
A:取材者は、つねに冷静で客観的な視点に立っていなければならない、と百も承知なのに、涙をこらえることができなくなることがたびたびでした。それだけ、みなさんの体験は重く、よけいな修飾はいらない、取材したままを忠実に再現しよう、と心がけました。
Q:この本はどんな人に読んでもらいたいか
A:人のいのちとは、働くとは、自然とは、と考えるときに手元に置いてください。不幸な災害を不幸なまま終わらせないために、これから社会に出ていく若い人に、そして人の上に立つリーダーとなる人にこそ読んで、この病院に学んでほしいと思います。


「早く取材にきてください。病院スタッフの記憶が鮮明なうちに」
石巻赤十字病院企画調整課の阿部課長からそういわれたのは、2011年6月のこと。シュープレスさんを通して、東日本大震災におけるこの病院の取り組みを単行本化しましょうと打診をしてから、この本の企画は一気に進みました。
急いで取材に向かったのは7月頭。石巻赤十字病院でこの日から1週間、朝9時〜17時、ときには18時まで、連日病院スタッフの方々に取材を行いました。その数、約50人。7月というのはギリギリのタイミングでした。震災からの3日間は、不眠不休、食事もほとんどとっていない状況で対応に当たっていたため、記憶がないという人も少なくありませんでした。涙ながらに話す人、話し始めると止まらない人…様々な人が、大混乱の状況を思い出しながら話してくれました。ベテランライターの由井りょう子さんの穏やかな口調での取材に、さながらカウンセリングルームのような雰囲気さえ漂っていました。
当初、これだけ多くのスタッフから話を聞くことは想定していなかったのですが、病院からはたくさんの方々への取材をお願いされました。これには前出・阿部課長の強い思いがあったのだと思います。"病院は医師だけで成り立っているわけではない。目立たないところで一生懸命力を尽くした人達がいて、はじめてよりよい医療が提供できる"と。
医師・看護師のみならず、管財課、安否情報室、転院支援、広報などの事務スタッフ、派遣社員…災害時に一見重要視されない立場のスタッフ達がどれだけがんばったか。人命を救う――そのために自分のポジションでできることを全力で行う、その気持ちを全員が持ち合わせたこの病院の活動には、日本の、そして人間の底力を感じさせます。同時にこれが赤十字の精神なんだと思いました。
写真提供:石巻赤十字病院">子どもが亡くなり、「おまえのせいだ!」と嫁に殴りかからんばかりの姑、泥まみれの幼い双子の娘と妻の遺体を軽トラックで運んできた夫、二人暮らしの年老いた母を失った娘が「私はどうすればよかったのでしょう」という言葉…病院スタッフたちの証言の数々はリアルで、胸が苦しくなりました。
こういう状況で、人はなぜここまでがんばれるのか、この本にはその答えがあるように思います。