あの日から一年が過ぎて

    石巻市中瀬にある石ノ森萬画館。2012年中の再開を予定している(2012.3.3)

    石巻のシンボル的な施設であった石ノ森萬画館が、再開へ向け少しずつ動き出している。
    「当初は2012年夏の再開を目指していたのですが、少し厳しい状況です。ただ年内には確実に再開させたい」と石ノ森萬画館の木村仁部長。石ノ森萬画館では、震災後、再開の目途が立たず、職員の多くを解雇せざる得ない状況になった。その職員たちを呼び戻すためには、1日も早く再開するしかない、そのために木村さんはできる限りのことをやり続けた。

    復興の今

    「もうすぐ1年。石巻全体での復興への歩みの遅さにあせりを感じています…仕方ない部分もあるのでしょうが、正直、まだここまでかと思ってしまうこともあります」という。
    「たくさんの支援・応援には本当に感謝しかない。そしてそれに応えるためにも施設の再開はとても大切です。今後は、中心部の街の再開発も含め、どう取り組んでいくか、具体的なプランが必要になってくるでしょう」と、木村さんは萬画館の再開と市街地の活性化を結びつけ、復興が以前よりも元気な街づくりに繋がれば、そう考えながら方法を模索している。

    少しずつ、前へ。石巻市・南三陸町

    石巻から国道45号で南三陸町へ。2月25日、南三陸町志津川地区に「南三陸さんさん商店街」という復興商店街がオープンした。鮮魚店、菓子店、理髪店、飲食店など30店が営業をスタート、買い物客や観光客で賑わう。ここに来ればひと通りのものが揃うこともあり、震災後、店が激減していた地元の人たちにとって、心強い存在になっている。

    志津川湾を眼下におさめるように立つ南三陸ホテル観洋。震災の被害を乗り越え昨年夏に営業を再開した。「復興商店街のオープン、南三陸キラキラ丼の再開(町内の飲食店がオリジナルの海鮮丼を提供)、少しずつ、南三陸町に活気が戻ってきています。1度にたくさん望むのは難しいですが、こうして一歩一歩、町に明るさが戻ってきてくれれば、みんながんばっていけるんじゃないかな」と南三陸ホテル観洋の支配人・米倉信一さん。「復旧・復興には時間がかかる。そのあせりは誰にでもありますよ。しかし、日々、少しずつ進んでいくしかない」米倉さんは、落ち着いた声音で話す。

    石巻市と南三陸町はともに今回の震災で被害の甚大だった地域。港湾地域の地盤沈下などもあり、復興への道は容易ではない。それでも前を向き、町の復興を思い続け行動している人たちがいる限り、必ず道は開けていくはずだ。

    2012年3月時点での情報です。

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