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仙台と石巻を結ぶ三陸自動車道。救援物資を運んだ人、ボランティアに携わる人などが帰路につく時、石巻河南ICである看板が目に飛びこんできたはずだ。 「ありがとう」と書かれた看板だ
石巻では震災直後から、自衛隊や全国各地から集まったボランティアの車両がひっきりなしに市内を往来していた。「ナイトスポット なつ子」の齋藤夏子さんは、感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、頭を下げてお礼の気持ちを伝えるようになった。ある時、一緒にいた孫がおじぎをすると、自衛隊の車両から隊員が敬礼を返してくれた。孫はとても喜び、夏子さんも大きく心を動かされた。
「被災地のために全国から来てくれたみなさんに、感謝の気持ちを表せないだろうか?」。
そして思いついたのが、「ありがとう」の看板だ。近所の建設会社社長が協力し、がれきの中から発砲スチロールを見つけ、事務の女性に手書きで大きく「ありがとう」の文字を書いてもらった。
今なお厳しい状況にある被災地に掲げられたこの看板は、被災者と支援者の心をつなぎ、支援者を帰路へとあたたかく送り出している。
2011年7月時点での情報です。