仙台 |「アリティーヴィー」代表取締役社長・佐藤貴之さんインタビュー(前編)東北の魅力を仙台から世界へ発信!

    (C)シュープレス

    宮城を中心に東北6県の自然や文化、人々などにフォーカスしたオリジナル番組を配信するインターネットテレビ局「アリティーヴィー」。代表取締役社長・佐藤貴之さんは、地上波テレビ番組制作の経験と持ち前の企画力・行動力を生かして、会社を成長させました。

    佐藤さんがテレビ業界を志したきっかけや、2020年に10周年を迎えるアリティーヴィーの新しい挑戦などについてお話を伺いました。

    映像制作のあこがれからテレビ業界へ

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    仙台で生まれ育った佐藤貴之さん。幼いころから映像の世界に興味を持ち、映画館に足繁く通ってはハリウッド映画を楽しんでいたそう。

    「子どものときに、『スター・ウォーズ』や『E.T.』などのSF大作映画が公開されたんです。当時、大ブームになり、劇場に入りきれないくらいお客さんが殺到していました。僕も夢中になったひとり。その頃から、“いつか自分の想いを映像にして、たくさんの人に伝えることができたらいいな…”と漠然とした夢を持つようになりました」

    佐藤さんは高校卒業後、その夢を叶えるため東京の映像制作を学ぶ専門学校に入学します。通学しながら映像制作会社でアルバイトをしていくうちに、テレビ業界に惹かれ始めます。“座学よりも現場で学びたい!”と思い、専門学校を中途退学。脚本の勉強をしながらフリーでテレビ業界で働き経験を積んでいましたが、家庭の事情で仙台に戻ることになります。

    「家業を手伝わなければいけないことになり、東京を離れました。心機一転、仙台で新しい生活を2年ほど送っていたときに、友人から地元の番組制作会社で働かないか?と声を掛けられたんです。家の仕事が一旦、落ち着いたこともあり、またテレビ業界へ戻ることにしました」

    仙台発のインターネットテレビ局の誕生

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    仙台の制作会社で、バラエティ番組や情報番組などを手掛け、めきめきとディレクターとしての才覚を発揮していった佐藤さん。しかし、2008年リーマン・ショックの影響を受け、担当番組が終了してしまいます。

    「不況のあおりを受けて、テレビ業界が低迷していきました。それを機に、“これからの人生でどれだけ自分を表現できる制作ができるのか?もっと違う土俵で番組づくりに挑戦したい!”と考え、2010年に独立しました」当初は、携帯電話端末向けのテレビ番組制作を考えていましたが、紆余曲折ありインターネットテレビ局「アリティーヴィー」を立ち上げます。

    「アリは自分の体より大きいものを運ぶ力がある。僕たちのテレビ局もそうなりたいという想いや、“ありがとう”、“なんでもあり”など、ポジティブなイメージを連想させる“アリ”という言葉を社名に使いました」

    スマートフォンが急速に生活に浸透してきた時代と会社設立が重なり、これからさらにインターネットが身近な存在になると予測した佐藤さんは、「ローカルも世界に直接つながることができる。東北の情報を自分たちで世界に発信したい」と考え、次々に地元密着型の番組を制作します。

    自分たちだからこそ伝えられる情報

    (C)アリティーヴィー

    ようやく会社が軌道に乗り始めた矢先に、東日本大震災が発生します。

    「命が助かってよかったという気持ちと、これからどうやって仕事をつくっていったらいいんだろう…という両方の感情が交錯しました。ゼロどころかマイナスからの再スタートを切らなければならない状態でしたね」

    津波被害がひどかった三陸の沿岸部に撮影に行くものの、被災者にカメラを向けられず自然の景色をひたすら撮影していた佐藤さん。ある日、炊き出しの手伝いをしていたとき被災者に話し掛けられます。

    「僕らの横にカメラが置いてあるのを見て、“取材ですか?”と声を掛けられました。その方はメディアで取り上げられていない被災地に住んでいて、今その地域が抱えている問題について話してくれたんです。大きな災害があると、メディアはセンセーショナルな映像が撮れる被災地に集中し、小さな場所にはなかなか足を運ばない。こういう最悪な状況でも、僕たちがやらなけれないけないことがあるんだ!と気付かされ、そこから動き始めました」

    さまざまな情報を配信していくうちに、震災から復興する被災地の記録映像制作や風評被害を取り払う番組などを制作するようになった佐藤さんは、さまざまな人と出会います。後編では、仙台に住む留学生たちとのふれあいやアリティーヴィーの新しい挑戦について伺います。

    佐藤貴之(さとうたかゆき)さん
    1972年宮城県仙台市生まれ。仙台商業高等学校(現仙台市立仙台商業高等学校)を卒業後に東京の専門学校に入学し、映像制作を学ぶ。アルバイトで経験を積んだ後、仙台の映像制作会社に入社。ディレクターとしてさまざまな番組に携わる。2010年に独立し、インターネットテレビ局「アリティーヴィー」を設立。現在、「アリティーヴィー」の代表取締役社長として、多言語で東北の情報番組を配信するほか、映画制作やインバウンド関連の事業なども手掛けている。

    2020年1月時点での情報です。

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